■一年戦争開戦前
宇宙世紀0050年代、宇宙移民者(スペースノイド)たちの間に「自分たちは地球に住む者(アースノイド)たちより格が低い」という感覚が生まれはじめていた。
事実連邦政府は各サイドを属国扱いし、甚だしい内政干渉などを行っていた。
このような状況の中、スペースノイドの意思の代弁者としてジオン・ズム・ダイクンがサイド3にて政治活動を始める。
やがてその運動はサイド3全てに広がり、宇宙世紀0058年に単独での自給自足が可能となった時点でジオン共和国が誕生する。しかし、ジオン・ズム・ダイクンには連邦政府との自治権をめぐる問題は、武力による実力行使ではなく、あくまで対話で解決しようとしていたと言われる。
宇宙世紀0068年、ジオン・ズム・ダイクンが死去し、共和国は彼の側近であったデギン・ソド・ザビが引き継ぐことになった。そこでデギンはそれまでのジオンのやり方を一変、武力闘争による独立を目指すべくジオン派を一掃し、ザビ家による独裁政治体制を敷いた。
自らは公王に納まり、国名もジオン公国と改めた。国民も、ジオン・ズム・ダイクンの融和を重視した政策に不満を持ち始めていた時期だったことからこれに賛同し、ジオン公国はたちまち軍国主義に染まった。そして地球連邦政府に対して断固戦いを挑もうというその姿勢を強め、着々と開戦のための準備をしていくこととなる。
■一年戦争開戦 そして敗北
宇宙世紀0079年1月3日に地球連邦政府に対して、完全な独立を求めて宣戦布告。
後に一年戦争と言われたこの戦いの初期、ジオン公国軍はザクIIなどのモビルスーツを中心とした戦力や「コロニー落とし」でモビルスーツを持たない連邦軍を圧倒し、宇宙においてはサイド1、サイド2、サイド4、サイド5を壊滅させ、地球においては億単位の死者をだす被害を及ぼした。
核兵器の使用禁止などを盛り込んだ南極条約締結後、戦線は膠着するもすみやかに地球に侵攻、鉱物資源の確保等、長期化への備えをする。
しかし連邦軍もV作戦を発動して独自にモビルスーツを開発。同時に宇宙艦艇の再建等で戦力を増強した連邦軍に徐々に勢いを持ち返され、最終的にはジオン本土(サイド3)に対する最終防衛ラインであるソロモンとア・バオア・クーを陥落させられ、且つザビ家一党も全員(ドズルの娘ミネバ・ラオ・ザビ以外)戦死してしまう。
ア・バオア・クー陥落後の宇宙世紀0080年1月1日、ジオン公国の議会によって共和国政府としての体制を整えられたジオン共和国は、地球連邦政府と終戦協定を結んだ。
■終戦後
ジオン共和国の投降勧告に従わなかったジオン公国軍残存勢力は地上においてはアフリカ、宇宙においては暗礁宙域やアクシズなどの小惑星群等へ撤退し、再起へ向けて地下勢力化していく。
宇宙世紀0083年にはデラーズ・フリートが反乱を起こすが鎮圧されている。
一年戦争後からサイド3で存続していたジオン共和国は、『機動戦士Ζガンダム』の作中(グリプス戦役)においてはティターンズに協力させられていたが、『機動戦士ガンダムΖΖ』の作中(第一次ネオ・ジオン抗争)ではネオ・ジオン(アクシズ)に吸収されてしまう。
そして、それまで形式的な自治を認められていたものの、宇宙世紀0093年の第二次ネオ・ジオン抗争を経て、0100年に自治権を放棄。正式に地球連邦政府の傘下となる。
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